使い慣れた物に囲まれたい
安心材料を増やすためにも、老人ホームへ入所される際にはご本人のお気に入りグッズをご持参下さい。
うまく利用して頂くために
入所契約時、必要な物の説明を受けると思いますが、色々と準備することがあります。
主治医の診療情報提供書やお薬などとても大切です。
そして日用品です。私はなるべく普段使っている物をオススメします。わざわざ新調されるご家族も多いですが、可能であればご自身の使い慣れている物を持参して下さい。
お洋服も同様にご本人がよく着用していた服、ラジオや本、アルバムやクッションなど、お気に入りの物も良いでしょう。

そして次に重要だと感じているのは入所後、ご家族の来所です。ご家族がお忙しかったり、介護疲れでようやく休める時がきたと安堵されている時に大変申し訳ないです。ただ、最初は可能な範囲で来所して頂きたいのが本音です。少しずつ慣れてきたら回数を減らして下さって大丈夫です。恐らく入所後は書類整理や実家の片付けなど、やることは山ほどあると思いますが、30分もしくは15分でも良いです。来て頂けるとご本人だけでなくスタッフも色々と話せます。
逆にご家族と会わない方が状態が安定される方もいますので、どれぐらいの間隔で来所すれば良いのか入所時に施設と相談してみて下さい。
大切なティッシュペーパー

お年寄りは物をとても大切にされます。
まずはティッシュ。トイレットペーパー。
貴重だった頃の記憶が残っていて使う量にとても気を使われます。少し鼻を拭いたぐらいでは捨てません。何ならポケットに大切にしまいます。
スタッフ世代はポケットに裸のティッシュを入れる習慣はありません。必ず洗濯機に入れる前はチェックしますが、時々チェックミスがあるようです。そうなると大変です。お風呂場でスタッフがティッシュまみれの服をブンブン振る姿は日常茶飯事です。

中にはお食事中、エプロンをつける方。スタッフが目を離した隙に上着の中にスルスルっと取り込んでしまう場合があります。お食事前に捜索開始です。
その他、歩きながら各部屋にあるティッシュケース、消毒液や新聞紙など、たくさん持って行く方がおられます。食堂に到着する頃には手荷物が一杯です。ご本人にとったら廊下を歩くだけで宝庫なのかもしれません。
過去に戻れるスイッチ

色んなご入所者によく聞く質問です。
「過去に戻れるスイッチがあったら、いくつの時に戻りたいですか?」
聞いたところで、ドラえもんのように夢を叶えてあげることは出来ませんが。
女学校の頃、社会人1年目、役職が就いた50代の頃、夫が亡くなった後(自由になってたくさん買い物が出来た)、そんなこと考えたことない、などなど。
聞いていていつも面白いです。
印象に残ったのは「もう戻りたくない、今のままでいい」
です。色々な含みがあって、たくさんのことを連想させます。
さて、皆さんはスイッチを押しますか? 押すならいくつの時でしょう?
☆まとめ☆
①安心材料を増やすためにも、老人ホームへ入所される際にはご本人のお気に入りグッズをご持参下さい。
②お年寄りは物をとても大切にされます。ご本人にとったら廊下を歩くだけで宝庫なのかもしれません。
③「過去に戻れるスイッチがあったら、いくつの時に戻りたいですか?」さて、皆さんはスイッチを押しますか? 押すならいくつの時でしょう?