ナースコールは命綱

入居後の生活編

思っている以上に大切な存在

 老人ホームではご本人の部屋から離れる時は目が行き届かないのでナースコールに頼らざるを得ません。
ご入所者の近くに必ず置くように心がけていますが、健常者の感覚よりも重要なボタンになります。

ナースコールはとても大きな存在

 車椅子を使用されているご入所者に血圧測定中「コールが落ちちゃったの、拾ってくれない?」と言われました。
計測中だったので「測定が終わったら拾いますね」と伝えるも、何度も拾って欲しいと言います。測定がうまくいかないこともあり中断して拾いましたが、どうして計測が待てないのか分かりませんでした。
普段はスタッフの名前も覚えるぐらいしっかりされていて、会話もうまく出来る方です。そんなにこだわりの強い人でもないのに不思議でした。

 ある日そのご入所者のコールがなりました。時間的におトイレに行きたいコールかなと判断して自分の仕事がもう少しで終わるので、それからコール対応をしようと思いました。ただ消した後すぐにまたコールがなったので、これは普段とは違うと分かりすぐに手を止めてかけつけました。
慌てて部屋を訪ねるとそのご入所者はベッドでけいれん発作を起こしていたのです。看護師を呼び、結局事なきを得たのですが、その時ようやくナースコールをひと時も手放したくなかったあの時の理由を理解したのです。
過去にも発作を起こしたことがあったようでご本人にとったらすぐに助けを呼べるようにしたかったのでしょう。

普段ご入所者から離れる時は必ずナースコールの位置を確認します。ただ、人によってはナースコールはとても大きな存在であり、近くにコールがある、ではなく肌身離さずコールを手元に置いておきたい。その重要性をスタッフとしてはしっかり理解しておかないといけないと感じました。

癒されるご入所様

 ご入所者全員をお世話する気持ちはもちろん全力ですが、スタッフにも好感度の高いご入所者は少なからずおられます。たくさんのことが出来なくても一生懸命頑張る姿を見ると応援したくなるものです。

【好感度の高い、あるご入所者のお話し】
 夕食が終わってお部屋に帰ろうとするも、通り過ぎてしまいたどり着けず廊下で迷子になっておられました。「あら、おかしいわねぇ」車椅子をどうにか使いこなし自身の表札を探します。
ようやくお部屋に到着しても洗面のコップがなかなか手が届きません。「うふふ、あともう少しなのにねぇ」
そしておトイレに行くとお歌が始まります。
ベッドまで到着しても私物の整理が始まり一気に散らばります。
寝巻きに着替えようと上着を脱ぐも途中で動かせなくなり、上着が頭に引っかかったままフリーズしてしまいます。介助を行うとお礼をおっしゃりながら手を合わせて下さるので、なかなか着替えがスムーズに進みません。
それでもなんだかスタッフは癒されます。いつも前向きで陽気、周りを和ませて下さるとても素敵な方です。

☆まとめ☆

①普段ご入所者から離れる時は必ずナースコールの位置を確認します。ただ、人によってはナースコールはとても大きな存在であり、肌身離さずコールを手元に置いておきたい。その重要性をスタッフとしてはしっかり理解しておかないといけないと感じました。

②ご入所者全員をお世話する気持ちはもちろん全力ですが、スタッフにも好感度の高いご入所者は少なからずおられます。たくさんのことが出来なくても一生懸命頑張る姿を見ると応援したくなるものです。

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