視覚から受け取る情報は8割

入居後の生活編

目を大切にしよう

 目に限らず全身全てを大切にするのはもちろんですが、今回は見えないことへの負担はとても大きい、ということをまとめてみました。

見えないことのストレス

 老人ホームのご入所者は様々な病気を抱えています。若い頃から病気を患っている方に比べて高齢になってから不自由になる方のほうが色々とストレスになるようです。

 私の勝手な印象ですが、高齢になってから目が見えにくい、もしくは目が見えない方の不自由さはとても大変です。もちろんどんな病気になっても大変さは一概には言えません。ただ、たくさんの方とお会いした中で「見えない」ことのストレス、不自由さは上位ではないでしょうか。

 恐らく人間は視覚に対する依存度がとても高いと思います。それが遮断されてしまうと出来ないことが一気に増えます。頭では分かっていても現状を把握しきれないことへの不安や、新しいことをすぐに吸収出来ないもどかしさなど、お世話する側としてとても感じます。

特に老人ホームへ入所となると新天地での生活が始まるわけですからかなりストレスになるでしょう。いつまでも理解しきれない現状にストレスがたまり、認知症が悪化してしまう方もおられます。さらに注意していても転倒リスクが高まります。そしてとても残念なのはお食事内容やレクリエーションなど生活する上で楽しめないことも増えます。音楽を聴いたりラジオを聴くことも出来ますが、ずっと聴くだけになるので結構限界があります。

 スタッフの立場としてはなるべく丁寧に説明したり、他のご入所者よりお声かけを意識しますが、顔が見えないのは本当に気持ちが伝わりにくいです。
 元々視力の不自由な方は老人ホームに入所しても目以外からの情報を得ようとされます。ただ高齢になってから不自由になる方は頼れるものがないことへの不安やストレスの方が先行してしまい、慣れて頂くのにとても時間がかかります。

 身体全てが大事なのは当たり前ですが目を大切にしよう、と改めて感じます。これからも老人ホームのスタッフとして関わり方について少しでもより良く生活して頂くために前向きに考えていきたいと思います。

便秘は体の不調を引き起こす

 高齢になると色々なお薬の副作用であったり、身体を動かす機会が減ってしまったり、ちゃんと噛んでいなかったりと、様々な要因により便秘になる方がとても多いです。
便秘になると体の不調を引き起こすのでなるべく排便を促したいものです。
お通じが良くなるお茶やお薬、お食事形態の変更やマッサージ、腹圧や摘便など様々な方法で試します。
例えばセンナ茶、トウモロコシ茶、ご飯にきな粉をかけたり、スプーン1杯のオリーブオイルを飲む方もおられます。
そして「出そうで出ない時」に限りますが、便器に座って頂いて、背中を押して上半身を前かがみになって頂きます。そうするとうまく排便される方もおられます。
私も含め健常者であっても、背筋を伸ばして座るのではなく、身体を倒して前かがみになると排泄しやすいです。

☆まとめ☆

①高齢になってから目が見えにくい、もしくは目が見えない方の不自由さはとても大変です。ただ、たくさんの方とお会いした中で「見えない」ことのストレス、不自由さは上位ではないでしょうか。

②便秘になると体の不調を引き起こすのでなるべく排便を促したいものです。私も含め健常者であっても、背筋を伸ばして座るのではなく、身体を倒して前かがみになると排泄しやすいです。

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