有料老人ホーム、分かりにくい

入居後の生活編

介護付き・住宅型・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)



 どうしてこんなに複雑なのでしょう。社会保険や年金も含め、介護保険も本当に複雑です。
その中で有料老人ホームも難易度が高いと思います。
民間施設で、費用が高い! ということはご存知の方も多いでしょう。
でも種類がいくつもあって分かりにくいのが現状です。

これだけは覚えておきたい

大きな違いをまとめてみました。もし、入居を検討される場合は目を通して頂けると嬉しいです。
他にも健康型の有料老人ホームがありますが、代表的な3つの施設を簡単にまとめてみました。

介護付き有料老人ホーム
①自立・要支援~要介護5
②介護全般(生活支援(食事・洗濯・清掃など)、身体介護(排泄・入浴など))
提携病院による往診・レクリエーション

住宅型有料老人ホーム
①自立・要支援~要介護5
②生活支援(食事・洗濯・清掃など)
提携病院による往診・レクリエーション
介護が必要になった時に外部のサービスを契約

サービス付き高齢者向け住宅
①自立~軽度の要介護
賃貸住宅(介護を必要としない自立した生活が可能な方)
③重度になると退居になる可能性あり
介護が必要になった時に外部のサービスを契約

 有料老人ホームの特徴として、同じ種類でも施設によって費用の幅が広いです。
設備に関しても大抵個室でトイレ付き、ただキッチンや浴室などは施設によって違います。
検討される場合は1つ1つチェックして比較するしかありません。


 これだけを読むと介護付き有料老人ホームが1番多様性に富んでいるようですが、施設の中で介護レベルの異なる人達と一緒に生活をするため、物足りなさを感じる方はおられるかもしれません。
比較的お元気な方、例えば独居生活に不安があり子供の住む地域に移り住んでおきたい方。そういった場合に自宅を引き払って住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に引っ越すのはいかがでしょうか。

ですので、人それぞれ入居を検討する時にどのような状態でどのような老人ホームがご本人に合っているのか、それはインターネットの情報や見学、体験など色々と考える必要があります。
人によって、施設によって、合う合わないが必ずあります。

お食事の工夫

 話しは変わってお食事について。
なるべくお食事はご自身で召し上がって頂きたいと考えています。
例えば、目が見えにくい方には黒い器で盛り付けます。
背の低い方には椅子にクッションを敷いて高くします。
そして色々工夫しても召し上がって頂けない方やうまく口へ運ぶことが出来ない方にはスタッフが食事介助をしています。

 ただ、食事介助をしてもなかなかペースの上がらない認知症の方がおられました。
うつむいてしまったり、口を開けて下さらなかったり。ほぼ話して下さらないので、どうして召し上がって下さらないのか分かりませんでした。
そんな方にはまず、冷たい物がお好きであれば全てを冷やしてみたり、甘い味付けがお好きであればお砂糖やはちみつを後がけしてみたり、最終手段は高カロリー食を召し上がって頂いたりします。
それでもなかなかうまくいきませんでした。

では結局、どうなったのでしょう?


 
 最初にミキサー食で厨房から届いたお食事を、おすましやダシ汁などと混ぜてスムージーな感じにします。バナナジュースのようなイメージです。
そしてそれを1品ずつ持ち手付きのコップに入れます。5つのコップをお膳に乗せてお出ししました。今までは色々なお声かけをしましたがスタッフは一切構わず、他の業務をこなしながらチラチラ見守るだけにしました。
ご本人はそのお膳をジッと見つめます。普段と雰囲気が違うことは分かって下さったようです。数分後、ようやく手が伸びました。ひとくちゴクリ。
見て見ぬフリのスタッフ達は息をのみます。
またまた他のコップにも手が伸びてゴクリゴクリ。
そしてあっという間に5つのコップは空っぽになりました。
驚きでした。自分のペースで食べたいのかも、という誰かのひと声から始まり、ミキサー食が嫌なのかな、とか、スプーンで食べるのがもうシンドイのかな、なんてみんなで試行錯誤した結果、コップでスムージー。その場にいたスタッフ達は目を合わせて思わず小さく拍手。
偶然かもしれないと数日続けました。毎回完食は難しいですが、今のところうまくいっているようです。

 工夫をすればご自身のペースで、食べやすいお食事であれば口に運ぶことが出来る。
スタッフいらずです。いつの間にか介助することが良かれと思って積極的に関わっていましたが逆でした。
双方にとってプラスということでお互い笑顔になりました、とさ。

☆まとめ☆

①有料老人ホーム、代表的な3つの施設を簡単にまとめてみました。人それぞれ入居を検討する時にどのような状態でどのような老人ホームがご本人に合っているのか、色々と考える必要があると思います。

②なるべくお食事はご自身で召し上がって頂きたいと考えています。工夫をすればご自身のペースで、食べやすいお食事であれば口に運ぶことが出来る。

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