褥瘡予防、時には難しい

入居後の生活編

感染予防対策が始まってから乱れてしまいました

 みんなで身体を動かすことが減り、移動をする機会もなくなり、まず集まることすら許されなかったこの数年。色々と出来ないことが増えてしまい「褥瘡」という大きな敵が出現しました。
ずっと同じ姿勢なので血流も悪くなるし、褥瘡が出来るのは仕方がない環境だったのかもしれません。

生活スタイルを戻したい

 私が働いている老人ホームでは感染予防対策によりレクリエーションや体操を控えたことで、日中身体を動かす機会が減ってしまいました。そのおかげで寝たきりの方ではなく、座る時間の長い方に褥瘡が出来てしまったのです。

 ベッドでずっと横になっている方の対応は今まで通りで褥瘡を作らずにうまくいけていたのですが、今回は車いす生活の方に出来てしまいました。

 褥瘡が出来てしまったことはとても残念なことですが、それよりも治すのが大変です。
生活スタイルを戻しながら同じ姿勢を長時間続けないように気を付けなくてはいけません。なるべく椅子の座り替えを行ったり、クッションの検討、入浴や排泄時などに処置を行う工程も加わりました。
横になって頂こうとベットへ誘導しても眠いわけではないのでずっと目を開けたままの方もおられ、とても申し訳なく感じました。

褥瘡が出来てしまうと、痛いようなかゆいような感覚が続くようです。無意味な椅子の座り替えや眠くないのに横になるなど、ご本人にとって何も良いことがありません。
今後、身体を動かす機会や外出の機会に制限が出た時、その時こそが腕の見せ所、スキルが試される時だと思います。

プラス思考なご入所者

 老人ホームで快適に生活されている方は比較的、楽観的というかプラス思考、あまり周りの視線を気にせず好きなように生きている方が多いように思います。
病気への不安や家族への不満が頭一杯の方はどちらかと言うと何かしら不自由に生きてらっしゃる印象を受けます。

 1人遊びの上手な方や柔軟に集団生活に溶け込めるような方は確実に人生得をしている気がします。

・校歌を思い出したと食堂で突然歌い出し、覚えていたご自身に拍手をする
・朝から晩までとりつかれたかのように廊下を行ったり来たりウォーキングをかかさない
・3度の食事や入浴など決まった時間に合わせず、マイペースに動く
・「かわいい子、働きに来てくれないかなぁ」と失礼な要望をつぶやく
・毎晩寝る前におやつを召し上がる

 言い出せばキリがありませんが、老人ホームでの生活を、そして人生を満喫されているなぁ、と羨ましくいつも見ています。

☆まとめ☆

①レクリエーションや体操を控えることになり、日中身体を動かす機会が減ってしまいました。そのおかげで寝たきりの方ではなく、座る時間の長い方に褥瘡が出来てしまったのです。

②老人ホームで快適に生活されている方は比較的、楽観的というかプラス思考、あまり周りの視線を気にせず好きなように生きている方が多いように思います。

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