【終末期に寄り添う老人ホーム】延命治療を望まず最期を迎える

入居後の生活編

施設で最期を迎える選択肢

 最近は治療を望まずに施設で余生を過ごしたいと考える方が増えてきました。ターミナルケアとか、看取り介護など聞いたことはありますか? 今後自分の人生のためにも避けては通れない道を一緒に考えましょう!

忘れられない選択肢

 ずっと忘れられない方がおられます。

一度救急搬送で入院され施設へ帰って来られた方が退院するなり言いました。「生きてればいいってもんじゃない、自由じゃない人生は楽しくない」と。少しずつ思うように身体が動かなくなる中で、自身の状態を自由じゃない、とおっしゃりました。

 時が経って2度目の救急搬送の時、その方は頑なに病院に着いた救急車から降りようとされず、そのまま施設に帰って来られました。その後どんどん調子が悪くなり、1か月程して亡くなりました。私は最初「あの時入院してくれてたら」と思いました。でも落ち着いてちゃんと考えると、入院しないと決めたのはご本人です。そして治療をして長生きしてさらに身体が不自由になって何の得があるのか、と判断したのもご本人です。時間が経つにつれてご自分の最期をご自身で選んだんだ、と納得出来るようになったんです。
 どうしても周りとしては少しでも元気な姿を見ていたい、少しでもお世話をして関わりたい、と思っていましたが、「生きていることが本当に最善の道筋なのか」「長く生きることが幸せとは限らない」と最期にご本人の潔さを垣間見た気がしました。

 高齢者施設で働いていると本当に人生の勉強になります。ずっと忘れない方の1人です。

施設での終末期

 ターミナルケアとは終末期に積極的な治療を行わずに医療・看護・介護ケアを行うことです。残りの余命を少しでも心穏やかに過ごして頂くケアやサポートのことです。病院での終末期がこれにあたると思います。看取りケアはターミナルケアよりも介護の面が大きいと言えるのではないでしょうか。比較的高齢者施設でのパターンが多いでしょう。

 治療を行うとすれば酸素吸入や水分に近い点滴などがあります。終末期への大きなサインとしては口からのお食事摂取が出来なくなることです。口からの摂取が出来ないということはご本人の身体が内科的に既に栄養を取ることを終了した、と私は解釈しています。

 緩和ケアとはガンなどで身体や心の苦痛を緩和する治療のことをいいます。病院でされていることが多いです。

在宅での看取りは大変です。ご本人のご家族に迷惑をかけたくない、という気持ちもあるでしょうし、他のご家族との協力体制も必要です。様々な介護サービスもありますが、全体的な割合としては少ないようです。今の日本では病院で亡くなる方が大半ではないでしょうか。

延命治療を望まない

 高齢者施設での終末期としてデメリットは緊急時にすぐに駆け付けられない、ということだと思います。ただ施設によってはご家族も寝泊りすることが出来ますので、是非問い合わせてみて下さい。

 ご家族も難しい判断だと思いますが、ご家族の希望によるたくさんの治療を施された状態の終末期はケアする側としてはなかなか厳しさを感じます。「少しでも長く生きて欲しい」という気持ちはよく分かりますが生き永らえることが果たして本当に幸せなのか、ご本人が望んでいることなのか、など色々と考えさせられます。

 いつの日かどんな人も必ず!「死」はやってきます。最期をどのように過ごしたいか、ご家族の気持ちも充分理解出来ますが、ご本人の意思も大切です。ただお話しが出来る間に確認しておきたいところですが、それもなかなか難しいですね。限られた時間をどのように過ごすのか、人それぞれ考え方や価値観、個性がよく分かります。

 結論、私を含め最後まで読んで下さった皆さん、健康を大切に、元気な間にしっかり人生満喫して、最期は未練なく、とにかく後悔のない人生を送りたいものですね。

☆まとめ☆

①生きてればいいってもんじゃない、自由じゃない人生は楽しくない。生きることが本当に最善の道筋なのか、長く生きてることが幸せとは限らない。

②ターミナルケアとは終末期に積極的な治療を行わずに医療・看護・介護ケアを行うことです。残りの余命を少しでも心穏やかに過ごして頂くケアやサポートのことです。看取りケアはターミナルケアよりも介護の面が大きいです。

③健康を大切に、元気な間にしっかり満喫して、最期は潔く、とにかく後悔のない人生を送りたいものですね。

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