高齢者は想像以上に頑張っている

入居後の生活編

歳をとってみないと案外分からない

 子供を産み育ててようやく育児の大変さが分かるように、恐らく高齢になってから分かることもたくさんあるのだろうな、と感じています。
ある程度想像は出来ても、体感していないので介護職として理解出来ていないことも多々あると思います。

お食事、事情

 高齢者施設に入所されるとお食事が合わなくて体重が減る方、逆に遠慮して残せず一気に体重が増える方、または栄養状態が整って体調が整う方も実際おられます。
ただ、お食事の好みが合わずに食べないのではなく、身体レベルが低下して徐々に食べる量が減ってしまう方もおられるでしょう。

 お食事の時間になると目の前に慣れたスタッフがやって来て「お食事ですよ、お口を開けて下さい」と言われれば、大抵口を開けて中に入ってきた物を咀嚼するでしょう。そして噛み終えた食べ物を飲み込むという動きを本能の力によってなされます。ただこれは本当にご本人の意思なのでしょうか。
 ご自身の手を使って口に運ばないのは、

・食べたくない
・食べることが出来ない
・食べる行為を忘れてしまった

などの理由があげられるでしょう。
ただ、この「食べたくない」という方に対してどうしたら良いのでしょうか。
お食事形態を変えるとか、甘い物やご本人の好物をお出しするのも1つです。
例えば「もう少し頑張って食べましょう」なんて気合いでどうにか口を開けてもらおう、という声かけもします。
ただ過激な表現になってしまうかもしれませんが、食べたくないからと栄養価の高い甘いドリンクなどを提供し続けるということはいかがなものだろうと最近考えてしまいます。
食べたくない方は結構意思表示されます。言葉やジャスチャー、首を振るなどして摂取を拒否されることが多いです。
スタッフは専門職ですから「食べたくないなら、おさげしますね」とは言えません。なぜ食べたくないのか。どうしたら食べてくれるのか。1日トータルで何キロカロリー摂取出来ているのか。
管理する立場ですから当たり前です。

でも私は思います、食べたくないということは身体が栄養を求めていないのでは?と。
普段から言われなくても頑張って生きているのに、気合いでもうひと口食べて! なんてことは働く側の都合であって、ご本人は実は有難迷惑なのではと感じてしまう時があります。
食べて良かったと結果感じて頂けるのか、それとも目の前のスタッフが口を開けると喜んでくれるからただ開けるだけであって本当は食べたくないのか、判断は難しいです。
もちろんその境界線を見極めることは私には出来ません。

高齢者になると活動量も減りますし、体調がすぐれない時も若者よりよくあることでしょう。食べたくないことが頻繁にあっても珍しいことではないと思うのです。
高齢者にならないと分からないことが恐らくたくさんあると感じています。思っている以上に勘違いをしていることもあるのではないでしょうか。
そして老後は予想以上に長いです。ご自身の身体とうまく付き合っていけることを介護職としてこれからも応援して行けたら良いなと感じています。

リハとレクの必要性

 高齢者施設に入所してある程度の生活環境が整うと、次はリハビリテーションとレクリエーションをどのように活用するか、ではないでしょうか。リハやレクを行うことでプラスになることも増えるでしょう。
 いずれも個別に行うパターンと集団で行うパターンがあります。
どちらも好き嫌いや合う合わないがありますので、その人に合った方法が良いのかもしれません。
施設によって頻度や内容も異なりますので施設を検討される際に必ず確認しておきましょう。

※リハビリは特に施設の介護支援専門員(ケアマネージャー)の調整が必要になりますので相談してみて下さい。

生活のメリハリはとても大切で日々の刺激になります。普段話さない方とお話し出来るチャンスも増えるでしょう。
そして身体を動かす機会になり出来ることが増えるかもしれません。それにより内臓の動きが変わり、もしかしたら便通も良くなるかもしれません。
 レクやリハが必ずしもプラスになるとは言い切れません。ただ、気分転換になったり笑う機会につながるかもしれません。

☆まとめ☆

①子供を産み育ててようやく育児の大変さが分かるように、恐らく高齢になってから分かることもたくさんあるのだろうな、と感じています。ある程度想像は出来ても、体感していないので介護職として理解出来ていないことも多々あると思います。

②高齢者施設に入所してある程度の生活環境が整うと、次はリハビリテーションとレクリエーションをどのように活用するか、ではないでしょうか。リハやレクを行うことでプラスになることも増えるでしょう。

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