高齢者施設に平穏な日々はない

入居後の生活編

どんな時も平常心を心がける

 スタッフ不足や施設の力量不足と言われてしまうと話しは終わってしまいます。
ただ、様々な要因を含めた上で、とにかくハプニングも想定内、広い心を保ちつつ対応していきたいと考えています。

かなりのカオス(混乱した状態)

 老人ホームには認知症の方がたくさんおられます。原因や症状は様々です。
そして気候やその時の体調など色々な要因によって普段よりも落ち着かない日があります。

ただスタッフも人間ですから、出勤する度100%万全で働いているわけではありません。二日酔いだったりプライベートがイマイチだったり、職場環境にストレスをためていると何かしら余裕のない時もあるでしょう。

 そうすると、ご入所者が先かスタッフが先かは不明ですが、どちらかがイライラしたり、いつもより様子がおかしかったりすると、いつの間にか双方落ち着かず余裕がなくなります。
ある方の対応中に他の方がフラフラと立ち上がってしまい、そちらへ駆けつけようとした瞬間ナースコールがなったりして、バタバタ感が否めません。
普段であればプロであるスタッフが余裕を持って対応することが当然かもしれませんが、残念ながら色々なタイミングでズレが生じてしまうこともあるようです。

 そんな時に助っ人として違うフロアからかけつけると、正直なかなかのカオスです。
思い通りにいかないご入所者と、対応しきれないスタッフの攻防戦が繰り広げられ、さらに落ち着かないご入所者が増えていきます。
普段であれば穏やかでしっかりされているご入所者でさえも空気の流れに敏感に従ってしまい、同じように「ちょっと」なんて声をかけて下さります。

こんな時はもう、絶対慌ててはいけません。敢えてゆっくり対応します。同じようにスピードを増強させて対応すると事故につながるからです。
クレームだけでなくケガや転倒、行方不明なんて想像しただけで恐ろしいことになります。
時には迅速な動きも必要ですが、なるべく1つ1つしっかりと対応して落ち着いて頂けるように心がけます。

栄養剤の威力

 人生の後半に差し掛かると、食事摂取が可能かどうかでその後の人生が変わります。
口からしっかりした量を摂取して頂けるのか大きな判断基準の1つになります。


 お食事形態は様々で刻み食やミキサー食など段階に分けてその人に合ったお食事を用意します。
ただ、色々な工夫をしてもなかなか摂取して頂けない方には栄養剤を飲んで頂きます。
何種類もの味があり、ジュースのようにゴクゴクと飲めます。

 高齢者施設で、ほぼ栄養剤だけで人生を送ってらっしゃる方がおられます。
もちろん今までもおられましたが、大抵は終末期の方が多いです。
ただ、車いす自走で立位も安定されているような方は私は初めてでした。たまにそんな方はおられるようですが、本当に半年以上ずっとほぼ栄養剤だけで生活されています。

 毎回栄養剤をコップにうつしながら色々と考えてしまいますが、人の身体って不思議ですね。

☆まとめ☆

①様々な要因を加味した上で、とにかくハプニングも想定内、広い心を保ちつつ対応していきたいと考えています。

②人生の後半に差し掛かると、食事摂取が可能かどうかでその後の人生が変わります。
口からしっかりとした量を摂取して頂けるのか大きな判断基準の1つになります。

タイトルとURLをコピーしました