せっかくの施設生活、こだわりのある生活を

入居後の生活編

言い過ぎると施設側に迷惑をかける、嫌われたくない

 分かります。もちろんウザがられてはいけません。
スタッフとの関係性は良好であることが望ましいです。
ただ、ある程度の個性は出して良いのではないでしょうか。

こだわって欲しい

①入浴好きな100歳

 入浴がとても大好きです。
心臓に負担があるからと主治医より湯船に浸かるのは7分と言われているのに10分は浸かりたい方がおられます。
毎回浴槽に設置してある時計とにらめっこ「この時計は速過ぎる、おかしい」と湯船に浸かりながらスタッフに訴えます。
上がると必ず「極楽やったぁ」とおっしゃって下さります。
そして、お風呂上がりには冷えたビール。
週に2回のお風呂上がりだけということで施設預かりにしています。1番サイズの小さい缶ビールをお渡しし、毎回お酒を楽しんでおられます。

②タイミングが重要な男性

 あるご入所者の所へ入浴前の健康チェックをしに行きました。
そうすると、健康チェックに来るのが遅い、と。
「僕の今日の計画では早々に入浴を終えて今頃はゆっくりと読書しながらコーヒーを飲んでいる予定なんだけど」
とおっしゃります。
それはそれは大変申し訳ありません。慌てて入浴の順番を変更しました。

③その他

・決まったお醤油をかけないとお食事が進まない人
・湯船には浸からず年中シャワーだけの人
・つなぎ目が嫌いで肌着を裏表に着る人
・サイズの合わない以前のブラジャーをつける人
・白髪頭に黒髪のカツラをかぶる人
・夜でもサングラスをかけて廊下を歩く人

 「わがまま」と「こだわり」の境界線は難しいかもしれません。
「性格と言うより病気の1つじゃないの」とか「言った者勝ちじゃないか」と言われてしまいそうですが、出来る限りお付き合いしたいと思います。
出来ないことは出来ないと言いますが対応出来ることは可能な範囲で取り組みます。
そしてコミュニケーションを行うことで、その人となりを知ることが出来るので日々楽しませて頂いています。

もちろん、高齢者施設が「桃源郷」と言いたいわけではありません。そして介護職は「お手伝いさん」でもありません。ご入所されてから思い描いていた最終地点とは程遠く「想像していたのとちょっと違う」と思われるかもしれません。
ただご本人と施設側の双方が歩み寄りながら、少しでも良い方向へ進んでいけることが理想ではないでしょうか。施設に入所して遠慮する必要もありませんし、言いたい放題の環境もお互いプラスにはなりません。
「こだわり」を持って生活して頂くことを応援していきたいとこれからも考えています。

SNSの活用

 お恥ずかしながら自分自身がSNSに投稿し始めてからようやく知ることが出来ました。
思っていた以上にたくさんの高齢者施設がSNSをうまく活用されていることです。
自分の投稿よりも他の方の投稿を見ては毎回楽しんでいます。
これから高齢者が急増する時代、様々な人達の目に触れて頂き、ご入所者の申し込みだけでなく、働く世代の人達にも興味を持って頂ける最適なツールだと実感しました。
SNSに投稿することに抵抗を感じる方もおられるかもしれませんが、まだまだ進出する施設は増えていくでしょう。

投稿を見る側としては施設を見分ける手段として冷静に判断するためのツールになるのではないでしょうか。情報に振り回されるのは危険ですが、うまく采配しながら閲覧するのが良いかもしれません。働く側も入所されるご本人やご家族もうまく活用していけると良いですね。

☆まとめ☆

①ご本人と施設側の双方が歩み寄りながら、少しでも良い方向へ進んでいけることが理想ではないでしょうか。施設に入所して遠慮する必要もありませんし、言いたい放題の環境もお互いプラスにはなりません。「こだわり」を持って生活して頂くことを応援していきたいとこれからも考えています。

②思っていた以上にたくさんの高齢者施設がSNSをうまく活用されていることです。これから高齢者が急増する時代、様々な人達の目に触れて頂き、ご入所者の申し込みだけでなく、働く世代の人達にも興味を持って頂ける最適なツールだと実感しました。

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