残された時間は「不自由で不幸せ」

入居後の生活編

老人ホームでは限られた生活を大切に使って欲しい

老人ホームに入所したら、、、
主治医や歯科医がお部屋まで来てくれます。
移動販売ということで車に乗せたミニスーパーも来てくれます。
浴室だけでなく、トイレや洗面所など、高齢者に配慮した設計で環境も整っています。
定期的にご家族も来てくれます。
不自由なことと言えば、時間の流れが決まっていること、1人では外出が出来ないこと、などです。

楽しくもないし幸せでもない

「好きなことが出来ない、若くないからつまらない」
「みんなに迷惑かけてばかりで嫌、自分は何も出来ない」
「とにかく家に帰りたい」

 ある程度しっかりされている方がよくおっしゃるセリフです。
衣食住が整って、身の周りのお世話をする職員や施設という環境がそろっていても人は満足出来ないようです。
人によっては「死にたい」とまで口に出される方もおられます。

 もちろん、施設側の力量不足もあるのでしょう。
ただ限られた空間かもしれませんが、せっかく生きているのにもったいないと感じるのは私だけでしょうか。
不自由な生活を送ることで残りの人生をどう過ごすのか、と考える余裕すらないのも確かでしょう。
ただ毎日最期の日が来るのを待ちわびるだなんて、なんとも切なく寂しいです。

失礼な言い方ですが要介護度が認定されるということはお元気だった頃よりも自由は既に制限されているということです。
ですので老人ホームに入所していなくても、介護認定を検討し始めた時点で不自由さは始まっているわけです。
だからこそ、ご本人は「不自由さ」の中でしっかり周りを巻き込んで人生を少しでも思うように活用して頂くのはいかがでしょうか?
気を使うことはありません。
老人ホームのスタッフはお世話をするために働いています。

 ただ、確実に言えることは99%ご家族に勝る存在になることは出来ません。どれだけ信頼関係を築くことが出来てもご家族には、かないません。
「家に帰りたい」とおっしゃりますが家に帰って何をされたいのでしょう。恐らく家族とおしゃべりをして安心という2文字が重要なんだと思います。
私が思うにご家族の立場としてはお散歩やドライブに連れて行ってあげるだけで充分だと思います。ちょっとした会話を定期的に行って頂けたら、ご本人の様子もかなり落ち着きますし、ご家族もご本人の現状を把握することが出来ます。

終活「もう少し先でいい」80歳以上で3割

 先日、目に飛び込んできたニュースです。
ご自身の終活を先に延ばしている高齢者が多いようです。

 実家じまいを済ませた私の経験としましては「終活はなるべく早くから進めて欲しい」です。
なぜなら遺族として色々とやらなくてはならないことがあります。亡くなった後のことを推測したり、遺品整理も辛く苦しい日々が続きます。そして簡単には終わりません。
先立たれた方が大切な人であれば尚更、手が止まり、悩み、涙が止まりません。

 恐らくご本人も終活は認めたくない作業ですし、つまらなく煩わしいことだと思います。
ただご本人以上にご遺族も大変です。

 嫌なことかもしれませんが、出来れば目を背けないで頂きたい。余裕がある間に、元気なうちに少しずつ、ご自身のゴールについて考える良い機会になって欲しいと考えています。

☆まとめ☆

①衣食住が整って、身の周りのお世話をする職員や施設という環境がそろっていても人は満足出来ないようです。もちろん、施設側の力量不足もあるのでしょう。ただ限られた空間かもしれないけれど、せっかく生きているのにもったいない気がしています。

②終活はなるべく早くから進めて欲しいです。なぜなら簡単には終わりませんし、遺族としては辛く苦しい日々が続くからです。大切な人であれば尚更、手が止まり、悩み、涙が止まりません。

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