後期高齢者になる団塊の世代

入居後の生活編

2025年にやってくる日本社会

 出生数がどんどん減っていく中、もはや高齢化率が上がるのはどうしようもない現状です。仕方のないことですが、生きていく中で少しずつ不自由な社会になることは恐らく確実でしょう。

まだあきらめてはいけません

団塊の世代が後期高齢者になると言われている2025年、この2025年問題を日本全体がもっと深く、意識する必要があるのではないでしょうか。
暗い話しで楽しくありませんが、大半の業種が人手不足による深刻な雇用問題、医療や福祉分野にも大きく影響を与えることは避けられません。

 銀行の支店に行ってもどんどんATMだけになり、スーパーのセルフレジも珍しくありません。いつの間にか人手が足りない環境に慣れているのかもしれませんが、今後は想像以上にもっと不都合さを感じるのではないでしょうか。
以前は海外からの労働者も増えていましたが、今や日本で働く利点がどんどん減っているようです。そうなると海外労働者に頼ることも出来なくなるでしょう。
そして、今後は平均寿命の高い女性がますます増えるでしょう。夫に先立たれるだけでなく、未婚や子を産まない女性も増えてきているのが現状です。さらに極端な言い方かもしれませんが、これから格差社会も広がり、独居で貧困女性が増えたらと想像するだけで、私はゾッとします。
逆にお金があっても都合良くいかないことも増えるかもしれません。お金を出してもまず人がいないからです。助けてくれる人がいなければ、大金を持っていても意味がありません。

そうなると友達や知人を含め近くの人達と深い関係性を作るしかありません。
そして少しでも人口の多い地域に住み、なるべくバリアフリーである生活環境を整えましょう。
また絶対的に必要なのが健康です。しっかり睡眠、ストレスをためない、良好な食生活、そして身体を動かすことが大切です。

 何が正しいかは分かりませんが、高齢者施設でたくさんのお年寄りを見てきた中で、その人に合った生活リズムを確立している方が少なからず快適な生活を送ってらっしゃるように感じています。

 例えば朝も昼も寝て夜もしっかり寝る方、95歳過ぎても飲酒される方、サプリメントをたっぷりとコレクションされている方、野菜を絶対食べない方、世間的には「あまり良くないこと」を習慣にされていてもしっかりと人生を謳歌されている方もおられます。

 万人に合った健康法を行うことで逆にストレスになってしまったり、身体を壊しては意味がありません。人それぞれ自分に適した生活リズムが重要ではないでしょうか。

 さらにこれが1番難しいことかもしれませんが、生活が少しでもプラスになるアイテムをうまく活用しましょう。福祉用具だけでなく、AIなどのIT環境に慣れることです。
恐らくこれからの時代、IT環境から避けて生きる方が難しいでしょう。支払いだけでなく、振り込みや様々な手続きなどもネットツールを使えば家の中で大抵完結します。
スマホやタブレットなどを使って普段と違うことをすると若干、ストレスになることも分かります。ただ、毎日少しずつ使い慣れることで、何かしら視野が広がるかもしれません。今や分からないことがあれば何でも検索しましょう。人に聞かなくてもインターネットを使えば丁寧に優しく教えてくれます。
ITスキルを上げることはこれから日本で生きていく上でとても重要で、うまく生きるコツにもなるでしょう。

無駄に心配し過ぎる必要はありませんが、否定的にならずに少しでも前向きに取り組めると良いかもしれません。まだあきらめてはいけません。使えるようになるととても便利です。他人に頼って嫌がられることもインターネットを使えばとても親切です。たやすく様々な情報を得ることが出来るでしょう。人口が減り続けても何かしら生きていく方法はきっとあるはずです。



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100歳男性のルーティン

 私が働いている高齢者施設、100歳男性のお話しです。

 朝食の時間です。ゆっくりと一生懸命ご自身で食べます。米粒1つ残しません。他のご入所者が食堂から居なくなった頃にようやく食べ終わり、お薬を飲んで頂きます。
 お食事が終わるとお部屋の方向とは違う廊下を車椅子に乗りながら足でゆっくりと進みます。スタッフは皆分かっているので何も言いません。たどり着いた場所は背中一杯に日の当たる窓辺です。そこで少し日向ぼっこしながら居眠りをします。
 そしてお部屋に帰り、おトイレと歯磨きです。ご自身でしっかり手を洗ってしっかりと歯磨きもされます。
 その後ようやくご自身のベッドの横まで帰りました。そばに置いてある亡き妻の写真を見つめます。そっと話しかけている頃、スタッフがお部屋に入ってきます。

そろそろお昼ご飯ですよ、食堂に来て下さいね。

と言うと、スタッフの顔をジッと見て、それから時計をジッと見て

んんんーっ? えぇぇぇーっ? もうお昼ご飯? 本当に?

と必ず毎回おっしゃります。
そして朝食と同じようにルーティンが繰り返されます。

先日は「父の日」イベントによりノンアルコールビールをプレゼントしました。グビグビ、アテをパクパク、何度も缶を逆さまにして「もうなくなってしもた」と不思議そうに中をのぞいておられました。

☆まとめ☆

①日本全体で高齢者がますます増える中、これからどのような社会になるでしょう。どんどん人口が減る中、ネット社会に順応していくしかありません。

②私が働いている高齢者施設、100歳男性のお話しです。ゆっくりですが一生懸命生きておられます。

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