人は日々変化する

入居後の生活編

悪くなることもあれば良くなることもある!

高齢者はレベルが低下するだけでなく、良くなることもあります。
老人ホームとして腕の見せ所を1つあげるなら「対応力」ではないでしょうか。
その時々によって対応の仕方を柔軟に変える、言葉にするとたやすく感じますがとても難しいです。

習慣が足を引っ張る

介護保険サービスの根幹または骨組みはケアプランだと思っています。施設のケアマネージャーがアンテナを張り、定期的にサービス担当者会議を開いてご本人やご家族、そして各専門職の意見を聞いてサービス内容を変更します。
ただ、その会議があまり活用されていなかったり、積極的なケアマネや理学療法士などが不在の場合はナースや介護職のリーダーなどが変更を決定する施設もあるかもしれません。

これはあくまでも例えばの話しです。

以前、転倒され車いす生活になった方は今後ずっと車椅子から離れることは出来ないのでしょうか。
今はもうふらつきは減ったし福祉用具も活用出来ています。転倒の可能性はかなり低いと考えますが、バギーや手引きなど歩く機会を増やすのではなく、車いすのままでも良いのでしょうか。

そのような時は施設を引っ張る主任(本来はケアマネ)のような立場の人が周りのスタッフと確認して、まとめて変更を決定しなくてはいけません。
そうしないと「もっと歩かせて下さい」と強くアクションを起こすご家族でもいない限り、もしくはご本人が「歩きたい」と意思表示しない限り、ふらつきは軽減されても、誰も何も言わないまま車いす生活が続きます。

 習慣は大切なことですが、習慣のせいで、変化の対応に手間取ってしまうことがあります。
語弊を恐れずに言うと、レベルがダウンするとリスクが恐くて慌てて対応はするけれど、回復してくると気付いてはいても元に戻すのに時間がかかる、という感じです。


回復していることをスタッフそれぞれが分かっていても変更に時間がかかってしまうのはその施設の力量不足と言われても仕方がありません。

 なぜこんな簡単なことがすぐに変更されないのか。それはリスクが恐いからです。
また転倒されたらどうしよう、とか誰かにチェックされた時の言い訳を作っておかないといけないなど、リスクを背負って変更するには誰かが決定しないといけません。
習慣が勝ってしまうのか、戻すことに不安があるのか、業務が増えて億劫になってしまうのか、煩わしいのか、面倒くさいのか、とにかく見ないフリをしているといつまでも対応の仕方は変わりません。

例えば感染予防対策が緩和された後も同じです。強化された時や悪化した時はすぐに対応するものの、緩和された時や回復した時など、業務の工程が残っていたりするわけです。

私も含めスタッフ1人1人が働きながら感じたことを見なかったことにせずに頭の中で「グルッ」と考えて上司に疑問を投げかけることも大切です。リーダー的な人がしっかりと判断をして、みんなの意見を聞いてまとめる。作業は複雑ですが変更を決定しないと何も改善されません。

 皆それぞれが意識し、意見交換し合うことで改善の糸口は見えそうですが、人手不足で毎日の業務をこなすことで精一杯な環境ではなかなか難しいのかもしれません。

☆まとめ☆

 今回はとても地味な内容になってしまいました。ですが、普段からモヤモヤしていることをまとめてみました。共感して頂ける方がいると嬉しいです。
 日々忙しく業務をこなしながら様々な判断を決定するのは大変なことですが、いつの間にかどんどん無駄な業務が増えているようにしか思えない。ご本人もスタッフももう少しスマートに動くことが出来たなら、お互い余裕が出来てより良い空間を創造出来るのではないかと考えています。

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