保護者になってくれる人、どんどん減少中!

老人ホームってどんなトコ

自分がサービスを使いたくなった時、必要なのは1番目のご家族になってくれる人です

 日本に住んでいる以上、介護保険サービスを使いたいと思ったらご家族(保護者、契約者、保証人、身元引受人など)の協力は必須です。そしてご家族の中で代表になる1番目の人を決めなくてはいけません。

 最近は独り身の人も珍しくありません。関係が良好な配偶者やお子さんがおられたり、元気な兄弟姉妹がいたら安心ですが、遠方だったり、疎遠だったりすると大変です。いとこや姪や甥という立場の人も来られますが、なかなか気をつかいます。

誰が代表者?

 高齢者はどんどん増えるものの、若者がどんどん減少している中、単純にご本人のご家族になってくれる人が減るのは必然です。
誰が自分の1番の家族になってくれるのか、立候補してくれる人は(とても失礼ですが)私も含め少ないのが現実でしょう。
最後まで読んで頂き、今1度考える機会にしてみて下さい。

 ご家族が何人かいたとしても誰が1番の代表者になるか、皆1番になりたくなくて「アナタが長男でしょ」とか「でも家が近いのはアナタじゃない」とか「1番可愛がってもらったのはアナタよね」なんて会話もよく聞きました。入居中に代表者が変わることも珍しくありません。
 その他「本人とは縁を切ったから関わらない」という人もおられますが、なかなか切れるものでもありません。

 ご家族の代表者になる人はどれだけご本人と仲良かったとしても、お友達とか、知人ではアウトです。どうしてもおられない場合は成年後見人が対応してくれます。最近は増えてきました。ただ手続きに時間がかかるし、費用もかかります。そしてお世話の内容にも制限があり、積極的に活用をすすめるにはまだまだ時間がかかるでしょう。

そして結局のところポイントは「お金」です。

お金のないご本人のご家族はなかなか表情が硬いです。やればやるほど奉仕活動のような感覚になるのだと思います。協力者も少なく1人だと全てを対応するのは大変です。

逆にご本人に資産のある人はどんどんご家族が増えます。表現がおかしいですが本当に次から次へと色んな人が来られます。自分がどんなお世話をしたか丁寧に記録されているご家族もおられました。

健康だった頃の関係性

 あくまでも私の感想です。「この人が私の世話人だ!」と思いつかなかった人。配偶者や子、兄弟姉妹に頼れない人。
私は比較的健康だった頃の関係性がとても大切だと感じています。大抵は姪や甥が多いですが、若い頃にご本人との良い思い出のあるご親族が多いです。

若い頃に亡くなった親の代わりになって自分を育ててくれた。
以前何度も旅行に連れて行ってもらった。

というような過去に思い出のある、ご本人に恩返しをしたいご親族が多いように感じます。

 特別なケースですが、今でも忘れられないご家族は本妻と、内縁の妻(二号さん)が協力し合って、相談しながらお世話をされているケースがありました。取り合うというより、姉妹と間違える程、共存されてました。
 夫であるご本人が健康だった頃、それぞれ2人との関係性を良好にした成果?なのでしょうか。

家族の中の代表者

 老人ホームは責任を持って判断をしてくれる人が必要です。何かしら人生の分岐点に立った時「どうしますか、アナタがご本人に代わって決めて下さい」という「決めてくれる人」が欲しいわけです。
ご家族の代表者になる人はご本人や老人ホームと話しを進めるだけではありません。
持ちかえって周りの親族に説明し、まとめなくてはなりません。中には代表者の方向性に納得してくれない人も出てくるのでストレスがたまります。お話し合いの時などにたまに複数のご家族が参加して内輪もめが始まったりします。

 老人ホームに入居出来たからと言って、何もしなくて良いわけではありません。電話が何度もかかってきたり、衣類の補充、食べ物の追加、老人ホームでは対応出来ない「科(神経内科や精神科など)」の通院介助、そして自宅やお金の管理などなど、お世話することはそれなりにたくさんあります。

 家族の代表者になると、いつの間にかあれよあれよと、ご本人の人生にどっぷりと浸かることになるわけです。

以上、自身の1番のご家族(世話人)は誰になるのか、をまとめてみました。
恐らく誰かにお世話になる頃には周りのことなど気をつかう余裕はないでしょう。
ただ、元気なうちにご本人やご家族の立場になって、周りの人達と今後のことを話してみるのもよいのかもしれません。

☆まとめ☆

①高齢者はどんどん増えるものの、若者がどんどん減少している中、単純にご本人のご家族になってくれる人が減るのは必然です。誰が自分の1番の家族になってくれるのか、立候補してくれる人は(とても失礼ですが)私も含め少ないのが現実でしょう。

②私は比較的健康だった頃の関係性がとても大切だと感じています。過去に思い出のある、ご本人に恩返しをしたいご親族が多いように感じます。

③サービス提供者側は責任を持って判断をしてくれる人が必要です。何かしら人生の分岐点に立った時「どうしますか、アナタがご本人に代わって決めて下さい」という「決めてくれる人」が欲しいわけです。

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